昔の事を書く、おやじだ。
俺は饒舌なタイプじゃない。
しかし、山田さんは俺以上だった。
仕方ないから、俺がしゃべり続ける。
たまに、あいづちらしきリアクションをしてくれる。
俺「鈴木さんとは、遊んだりしてるの？」
山田さん「………。」
俺「あ…遊びに行った事あるんだ。」
山田さん「………。」
俺「俺、稲垣くんと遊びに行った事ないなぁ。」
山田さん「………。」
俺「うんうん。」
山田さん「………ないの？。」
俺「えっ！？。あっ、全然ないよ。」
山田さん「………ふぅん。」
そうか。
山田さんは、別に質問出来ない性格ってワケじゃないんだ。
ちょっと、間が開くだけなんだ。
テンポが独特なだけ。
「わからない事を聞かない」なんて誤解だ。
山田さんがうつむいた後。
ちょっと待ってあげれば、ちゃんと言う。
（あげればって、俺より2つ年上なんだが）
社長に…いや、直接社長はマズイな。
制作室の1年先輩達が、社長に怒られる可能性がある。
2階制作室…上本先輩！。
上本先輩に、それとなく言ってみよう。