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上ポン

昔の事を書く、おやじだ。
秋も終わろうしている時期。
俺と藤間さんは、真能寺駅近くの大きな道路沿いを歩いていた。
俺は黙って歩いていた。
藤間さんも。
信号待ちの所で、藤間さんが口を開いた。
藤間さん「上ポン…いっつもいいかげんな事ばっかして…」
俺「え…いいかげん?。」
藤間さん「Oに全部言っちゃうし…しーちゃんにも詰め寄るし…」
しーちゃんってのは、篠原さんの事か。
いいかげん…ってのは。
藤間さん「しーちゃんの事…私からOに言うつもりだったの。」
俺「…うん。」
藤間さん「でも、上ポンがちょっと待てって。」
俺「うん。」
藤間さん「俺がOの様子見てやる。それから言っていいかどうか判断するって。」
俺「うん。」
藤間さん「結局、私が言わなきゃいけない事…全部先に…。」
俺「うん。」
上本先輩って、そんな感じの人だったのか。
先輩って先入観のせいか、そーゆー部分にはまったく気がつかなかった。
信号が青に変わる。
俺らはふたたび、歩きだした。