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ゴツめの社員

走れ走れ走れ~進め進め進め~い・そ・げ~、おやじだ。
月曜日。
少し前に入社した後輩「殿」は、まだいる。
それもそのハズ。
彼はほとんど働いていない。
メチャクチャ楽。
ただし働いているフリはうまい。
おまけに(上に対してだけ)やたら、ご機嫌をとるのがうまい。
絶妙のバランス感覚を持っている。
週に二度必ず遅刻と早退をするのに、なんでもない顔で職場にいる。
不思議だ。
今までならちょっとゴツめの社員が、いやおうなしに牽制するハズなのに。
誰も怒らない。
誰も注意しない。
もともと補助扱いだから、いなくても仕事は止まらない。
だからといって、働かないで金がもらえるのはおかしい。
どうしてだ。
どうして、俺を含む他の人間と「殿」との待遇が、こんなに違うんだ。
小休憩中、なんとなくリサーチをとってみる。
雑談の中にちょっと探り的なものを入れる。
そしてわかった事は…
たぶんだが、社長の血縁者かどこかの代議士の親戚じゃないか?。
という結論に達した。
不思議がっていたのは俺だけじゃなかったんだな。
…で、この働かないで金貰っている「殿」の給料を、みんなでなんとかしてはじき出さないといけない。
結局サービス残業を増やすしかない。
みんなで出した悲しい予想だった。
それにしても、あのゴツめの社員は「あいつは気に入らない」という理由だけで、威圧してくるワケじゃないというのもわかった。
ちゃんと裏とって、「こいつはやってもいい」とわかった上で威圧している。
…あんなのでも、ちゃんと考えて行動してんだな。
ちなみに俺は分単位で馬車馬状態だから、ゴツめの社員に威圧された事はない。
そんなヒマ全然ない。
自分より悲惨な状態な俺を、たまに遠くから眺めてニコニコとしているだけ…。