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俺のパソコン

熱いコーヒー飲んで目がランランのおやじだ。
飲む時間帯を考えるべきだったな。
俺ぁ、ネット上で「おやじ」と名乗っているが、父親じゃない。
ド中年という意味でおやじと名乗っている。
ネット上の日記では、おやじと名乗っている人のほとんどは父親だった。
「娘がようやく歩くようになり…」
「いよいよ次男も3年生…」
「妻が本当にひどい奴でして…」
どれもこれも立派な父親をやっている。
年齢は俺と同じなのに…一家の大黒柱やっている…。
俺は自分一人食わせるのにヒーヒーいっている。
ところがネット上の他のおやじ達は、妻子にメシを食わせてやり、マイホームのローンを払い、子供の塾、妻の習い事の金を払い、愛車の維持費を払い、ペットを飼って最新のデジカメでその愛らしい姿をアップしている。ボーナスで家族旅行していたりする。
同じ国の人間とは思えん。
しかも更新時間が19時~20時ぐらいだったりする。
定時帰りでこれだけ裕福な暮らしを維持しているってワケか。
まぶしすぎる…。
金がないとネット上でも悲惨な扱いを受ける事もわかった。
俺も俺のパソコンも悲鳴をあげている。
「このページを開くにはメモリが足りません」
俺のパソコンよ…。
おまえは良い奴だな。
「このページはいろんな意味で開いてはいけません」
本当は、そう言いてぇんだろ?。
管理人より安いパソコンを使っている人間は全てはじき飛ばされる。
高スペックな最新パソコンを毎年買える人間しか、入ってはいけないんだな?。
大丈夫だ。
わかっている。
わざわざネットカフェまで行って、中を見るなんて野暮な事はしない。
おまえが見るなと警告したサイトは見ない。
でも、いつか…おまえにガッツリとメモリを積んで、軽々と開くようにしてやる。