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私の財布の中の消しゴム

哀れな、おやじだ。
朝、駅に到着すると定期がない。
「仕方ない、今日は切符で通勤するかぁ」と思い財布を開けてみる。
…………………107円。
鬼の形相で家まで走る。
107円では切符を買ったら、昼飯食えない。
帰る事が出来ない。
家に戻り定期を探す。
ドコだ、ドコだ、ドコだ、ドコだ、ドコだ…
あった!。
急いで駅まで、鬼の形相でダッシュ。
遅刻しない時刻の電車が、後1本だけある。
猛ダッシュ中、家と駅の中間地点でフッと思い出す。
…………………107円。
ちくしょおおおぉおおおおおーーーーー!!。
金を補充するのを忘れた!。
ハァハァ言いながら戻るか昼飯抜きか考える。
近所の中学校の先生達が登校中の学生達を見守っている。
その内の一人が俺を凝視している。
先生「 …………………」
俺「ハァハァハァハァ…」
先生「 …………………」
俺「ハァハァハァハァ…」
先生「 …………………」
俺「ハァハァハァハァ…」
先生、他の先生に耳打ち。
俺は戻るか進むかハァハァ言いながら、行ったり来たり。
さっき耳打ちしていた先生とゴイツ体育会系の先生が俺に近づいてくる。
そんな事に構っている暇はない。
遅刻しちまう。
体を反転させて、鬼の形相で家までダッシュ。
なにか後方でザワついているが知らん。
金を財布に入れてまたダッシュ。
登校中の中学生達をつっきり、なんとか駅に到着。
「えー、ただいま悪天候の為、電車が約20分遅れております。」
ちくしょおおおぉおおおおおーーーーー!!。