センチメンタル、おやじだ。
メールボックスを整頓していたら、なつかしい人のメールが出てきた。
最初はブログへのコメント。
いつの頃からか毎日のように俺にメールをくれた。
そのメール1通1通がすごい。
ものすごい文章量。
俺の一日の日記の文字数の倍近くある。
ど…どーして、こんな辺境ブログの管理人に熱心にメールをくれるんだ…?。
不思議に感じながらも、ほとんど返事を書かなかった。
それでもメールは続く。
1通1通、熱のこもった物凄い行数のメールが毎日。
そうしている内に色々わかってきた。
その人が一人東京でノイローゼになるくらい求職活動に苦戦した時期があった事。
俺の今の状況はまだまだ生き地獄とはほど遠い、生ぬるい状況である事。
メールの送り主が実は女性である事。
そして、その人が喘息をわずらっていて、長く持たないかもしれない事………。
メールは続く。
衣・食に困ったときは力になるとまで言ってくれた。
(住は女性なのでゴメンナサイとの事)
………どーして見ず知らずの俺にそこまで!?。
そして、ある日突然最後のメールが届いた。
内容は
「今の状況で日記を書くべきではない」
というような内容だった。
もっと現実世界の状況が落ち着いてから書いた方が良いという事らしい。
そのメールを最後にパッタリとメールが来なくなった。
どうしたんだろう?。
飽きちゃったんだろうか?。
返事あまり書かなかったの、マズかったかなぁ。
もっと、ちゃんと意見の交換をするべきだった。
しばらくしたらコメントくれるかも。
来ないな。メールも来ない。
体調は大丈夫だろうか?。
全てもう遅い。
彼女はおやじ製鉄から姿を消した。
以来、日記に使っていた口調は少しづつやわらかくなっていった気がする。
読者に対する姿勢も変わったよーな、そーでもないよーな。
メールボックスを整頓していた指が止まる。
モニターにうつるその人の文章が、俺を叱咤激励してくれている。